こんにちは、アラサー女の雪だるまです。
この記事では、東野圭吾さんの推理小説「私が彼を殺した」のヒントの提示、推理・解説、犯人特定まで書かれています。
ヒントがたくさん書かれているので、まだ犯人が分からずヒントがほしい方は参考にしてください。
とにかく早く犯人が知りたい、という方は推理・解説からお読みください。
ちなみに、全て私の推測になるので絶対の答えではありませんが、他の方の推理を見ても概ね一緒なので、参考にしてください。
犯人が分かった人も一緒だったか見てみてね!
ヒント
推理をしてる方に向けて、7つのヒントを提示します。
後から出てくるヒントほど、核心を突くものになってきますので、最初の方のヒントで謎が解けるといいですね!
ヒント①毒入りカプセルの行方
ヒントというより状況の整理ですね。
本文中の加賀刑事の推理に、12粒の毒入りカプセルの行方について書かれています。
結局使わなかった毒入りカプセルを雪笹と貴弘が提出してますので、最終的に毒入りカプセルを持っていた可能性があるのは誰なのか、一度整理してください。
ヒント②3つの証拠品
ここからがヒントらしいヒントになってきます。
加賀刑事は最後、3枚の写真を出します。
そこには、美和子のバッグ、薬瓶、ピルケースの3つが写っています。
この証拠品の1点のみ、穂高でも容疑者3人のものでもない、身元不明の指紋が検出されています。
もう一度、この3つの証拠品に注目して本書を読み返してください。
そして、どこかで身元不明の指紋が付く恐れがないか、注意深く観察してみてください。
ヒント③毒入りカプセルへのすり替え
鼻炎薬はどのようにして毒入りカプセルにすり替えられたのでしょうか?
もう一度考えてみてください。
誰が?
犯人が?
直接?
何かの容器に入れて?
どのタイミングで?
3つの証拠品である、美和子のバッグ、薬瓶、ピルケースを追いながら考えてみてください。
ヒント④注意したい人物
事件には直接関係ありませんが、注意していただき人物がいます。
誰だかわかりますか?
穂高は今回の結婚は2度目でしたよね。
美和子とは再婚だと。
ピンときましたか?
注意したい人物、それは穂高の前妻です。
登場人物としては話に出てきませんが、ところどころ前妻の話が出てきます。
前妻の出てくる文章に注意して読んでみてください。
ヒント⑤3つ証拠品のうち、謎の指紋が付いていたのは・・・
ビッグヒントだよ~!!!
ヒント⑤では3つの証拠品のうち、身元不明の指紋が付いていたのはどれだったのかお伝えします。
これはかなり大きなヒントです。
ここまでのヒントを元に小説をしっかり読み返した方なら謎が一気に解けます。
加賀刑事が提示した3つの証拠品は、美和子のバッグ、薬瓶、ピルケースでしたね。
そのうちの身元不明の指紋が付いているのはどれか1点と言われていましたね。
ヒント②を元に本書を読み返してどの証拠品に指紋が付いていたか分かりましたか?
それは・・・
ピルケースです!
なぜピルケースに身元不明の指紋が付いていたのでしょうか。
その指紋は誰のものなのでしょうか。
ピンときましたか?
このピルケースを最初から最後まで注意深く見ていけば、指紋の持ち主と犯人が分かります。
ヒント⑥身元不明の指紋の持ち主とは・・・
スペシャルヒントだ~!!!
ヒント⑥ではズバリ、一番気になる身元不明の指紋の持ち主をお教えします!
今までのヒントの流れで分かってきましたか?
もう薄々、予測はたっていますよね。
そう、その身元不明の指紋の持ち主とは・・・
穂高の前妻です!
なんで?と思った方、加賀刑事の言葉を思い出してください。
「付いていて当然の人物の指紋が残っていたにすぎない」と言ってました。
ヒント④、ヒント⑤を元に本書を注意深く読み返した方は納得だと思います。
犯人は分かりましたか?
ヒント⑦身元不明の指紋が付いた理由
これを読んだらほぼ犯人が分かるよ~!!!
ヒント⑦では身元不明の指紋がなぜピルケースに付着していたのかお伝えします。
このヒントを読んだらほぼ100%犯人が分かってしまいます。
覚悟はいいですね?
なぜ、ピルケースに身元不明の指紋すなわち穂高の前妻の指紋が付いていたのか・・・
それは、そのピルケースが元妻のものだったからです。
え?と思った方はピルケースが最初に出てくる場面をよく読んでみてください。
すると穂高と前妻はペアでピルケースを持っていたことが分かります。
前妻の指紋が付いてるのは当然前妻のものです。
つまり、事件で使われたのは、この前妻のピルケースなのです。
そして、前妻の持ち物であったピルケースを手に入れることができるのは、穂高以外にあの人物しかいません。
そう、前妻の荷物が置いてある場所を思い出してください。
そして、この穂高のピルケースと同じ、前妻のピルケースを使えば毒入りカプセルのすり替え難易度もグッと下がります。
さぁ、もう犯人は分かりましたかね?
では、推理の詳しい解説に移っていきます。
推理・解説と犯人特定
皆さんはヒントのどの段階で犯人が分かりましたか?
ヒントを元に推理・解説をしていきます。
まず、ヒント①でお話しした毒入りカプセルの行方を整理していきます。
浪岡準子の持っていた毒入りカプセルは全部で12個。
その内訳は加賀刑事・容疑者3人の証言により次の様になっています。
・5つは準子の部屋の薬瓶に入っていた。
・1つは準子が自殺のために飲んだ。
・1つは雪笹が盗すむが、未使用で加賀に提出。
・1つは駿河が盗み、貴弘に脅迫状付きで渡すが、未使用で加賀に提出。
・2つは準子が穂高のピルケースに仕掛け、その後捨てられたものを貴弘が回収。そのうち1つは猫に食べさせ、そのうち1つは貴弘が所持。→事件で使われた?
・1つは雪笹か駿河が再び準子の部屋から盗み、所持。→事件で使われた?
つまり、ここで言えるのは、行方が判明しているカプセルは10錠。
残りの2錠のうち、1錠は貴弘が、もう1錠は雪笹か駿河が所持していることになります。
そしてこの2錠のうちのどちらかが、穂高殺人事件で使われたカプセルです。
容疑者は最後まで貴弘、雪笹、駿河の3人ですね。
ここまでは本作の内容だね。
次にヒント②の証拠品3つの行方の確認と、ヒント③毒入りカプセルの入れ替えについてについて考えます。
証拠品は美和子のバッグ、薬瓶、ピルケース。
この3つを最初から追っていくと、ピルケースの初登場シーンでこんな文章が出てきます。
手に銀色の小さな懐中時計のようなものを持っている。だが懐中時計ではなく、じつは彼愛用のピルケースだった。前に結婚していた頃、当時の奥さんとペアで買ったものだということを、俺は穂高から聞いていた。
東野圭吾「私が彼を殺した」より引用
ふーん、そういう品だったのか~と改めて分かります。
そして毒入りカプセルの入れ替え方法について考えてみます。
ピルケースの中のカプセルを直接入れ替える方法や、美和子の持っていた薬瓶に入れる方法だけでなく、容器ごとすり替える方法もあります。
薬瓶ごとすり替える方法と、ピルケースごとすり替える方法です。
薬瓶は市販で入手できるので、美和子のカバンに近づければすり替えは可能です。
また、ピルケースがペアで存在するのなら、ピルケースごとすり替えることも可能だと分かります。
そしてヒント④の注意したい人物・穂高の前妻についてです。
ペアのピルケースは存在しますが、それは前妻のものです。
前妻からピルケースを手に入れることが出来るのでしょうか?
そこで、この文章が目に留まります。
段ボールの中には、その前妻から彼宛てに宅配便として送られてきたものもあった。穂高によると、彼女のほうも再婚の際、前に結婚していた頃の思い出の品は邪魔になったので、彼のところへ突然送りつけてきたということだった。
東野圭吾「私が彼を殺した」より引用
駿河の家が穂高企画の事務所を兼ねていましたね。
そして、そこには穂高の荷物が入った段ボールと、穂高の前妻から穂高宛てに送られてきた段ボールが積まれていました。
この穂高の前妻から送られてきた「思い出の品」の中に穂高とおそろいのピルケースが入っていたのではないか、というのは想像に難くないと思います。
そして、駿河は穂高の前妻のピルケースを手に入れることが出来たことが分かります。
ヒント⑤~⑦については、証拠品1点に付着していたの身元不明の指紋の持ち主と、なぜその指紋が付着していたかについてですね。
穂高の前妻のピルケースが事件の時にすり替えに使われたのならば、当然証拠品のピルケースには持ち主である穂高の前妻の指紋がついていることになります。
身元不明の指紋とは穂高の前妻の指紋だったのですね。
では、この毒入りカプセルが仕込まれた前妻のピルケースを、駿河はどのタイミングで穂高のピルケースとすり替えたのでしょう。
こちらの文章に注目です。
「さっきの預かったあれ、駿河さんに渡してちょうだい」
東野圭吾「私が彼を殺した」より引用
雪笹香織がいうと、はい、と返事して西口絵里がバッグを開けた。中から出してきたのはピルケースだった。
ー 中略 ー
「だけど、俺もすぐに教会に行かなきゃいけないしな」蓋を閉め、ポケットに入れてから周囲を見回した。すぐそばをボーイが通りかかった。
俺はボーイを呼び止めると、「これを新郎のところに届けてくれ」といって、ピルケースを渡した。
そう、西口から預かった穂高のピルケースを一度ポケットに入れています。
この時、ポケットに予め用意していた穂高の前妻のピルケースを取り出しボーイに渡したのです。
そう、犯人は駿河だったのです!!!
駿河だったのか~!最後までしらばっくれてたな~!
ちなみに、貴弘も毒入りカプセルを所持していましたので、貴弘の犯行についても簡単に検討します。
貴弘が毒入りカプセルを忍び込ませることができたのは、結婚式前日の美和子との夕食時ですね。
美和子の隙をついて、美和子のカバンの中にある薬瓶に毒入りカプセルを入れることはできたかもしれません。
しかし、それでは証拠品についていた身元不明の指紋についての説明がつきません。
これにより、貴弘は犯人ではないことになります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
よくできたストーリーですよね!
特に、穂高の初七日で全員が穂高の自宅に集まった時、誰の毒入りカプセルが使われたのか答えが分かると思い、気になりましたよね。
でも、雪笹も貴弘もカプセルを持っていて、駿河が脅迫状を書いた犯人だと判明して、混乱しましたよね。
結局全員犯人ではないのか?、と。
しかしそこから東野圭吾さんお得意のどんでん返しですね。
実は準子が穂高のピルケースに毒入りカプセルを仕掛けていて、それを貴弘は見ていました。
そのカプセルは捨てられましたが貴弘が保有。
さらに、準子の部屋の薬瓶に残っていた毒入りカプセルは6錠ではなく、5錠だったので、雪笹と駿河が再び容疑者に浮上するとカラクリです。
読んでてワクワクと混乱が渦巻きます。
そして、最後はちゃんと犯人を特定できるようになっているのですから、東野圭吾さんは圧巻です!
推理するのって楽しいですね。
そしてその楽しさを生み出してくれた東野圭吾さんには感謝・感服です。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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